ミュージカル「ペーパームーン」
シアターコクーン
1999.7.10
前日の夜、いつもより暑くてどうにも眠れない。 うちわを探してあおぐがそれでもだめ。 列車が猛烈な音を立てるが背に腹は替えられないので窓を開け放つ。 それでやっと眠ることができたが、 ふだんより少し早く起きなければならないというプレッシャーで たびたび目がさめてしまう。

やや寝不足だが、割とすっきりして起き、いつもの朝2の列車に乗る。 一部の名古屋人にはおなじみの12:30に東京に着くパターン。
今回の目的地は渋谷なので、品川で降りてそこで食事を取る。 ホームの上はこの前来たときは工事していたと思ったけど、 きれいな飲食店街になっている。
山手線で渋谷へ。適当にその辺をふらついた後、シアターコクーンへ。 多少を迷うかも、と思っていたが、 案内が割と多く、スムーズに劇場へ、15分前くらいに着。

最初は若い女性が多いな、と思ったが、 ロビーに入ってからは40以上の女性が大半だという感じがした。 それくらいだとやはりジュリー目当てだと思ってしまう。

ロビーではジュリーのライブビデオが流れていてそれが販売されていた。 13,000円、う〜む。 もしミュージカルのビデオが販売されてそれくらいの値段で売られたとしても、 やっぱ買うんだろうなあ。 いっしょに「ごめんね」と[fragile]も販売されていたが、 どれくらいの人がそれを買ったのだろうか。
プログラム1500円はデフォで買い。 あと、写真立てのようなものが売っていたが、 写真がよく見る主要キャスト4人並んでのものが飾ってあったのでパス。 実は写真は別に何枚か入っていて、亜季ちゃん単独の写真もあるよ、 というのだったら買ってきたのだろうけど。 実際はどうだったのだろう (というかレポ書くくらいだったら人柱になるべきだよな)。

劇場はなにやらおしゃれな感じで、PARCO劇場にくらべるとかなり広い。 通路もずいぶんゆったりとしていて、花輪など飾っていない。 各階に案内の女性が配置されていて、ちょっと高級なホテルのような感じ。

2階席に行って、正確にはどの席だったか調べるためにチケットを探すが、無い。 プログラムを買ったときは確実にあったのだが。 そのうち名古屋からの勇者Kが現れる。舞台が終わったら会うことを約束して解散。 結局、チケットは「なかよし」、じゃない、時刻表に挟まっていた。
それでやっと安心して席に着く。 そこでさっき買ったプログラムに目を通す。 本当はこれでストーリーをおおよそチェックしておくはずだったがあまり時間が無い。 適当にペラペラとめくっていくと、後ろの方に広告が。 まず、HotPo。それから、[fragile]。最後に、ensuite。 プログラム自体が大きいので、これらの広告も大きい。これは貴重だ。
なんて感心していると、舞台が10分遅れくらいで始まろうとしている。

舞台全体の感想はというと、話の展開に説得力が無いなあという感じです。
例えば、話はモーゼが口八丁で聖書を高く売りつけるのを見ていて、 アディが勝手に協力して順調に売上を伸ばしていく、 それを見てモーゼがアディを相棒として認めるようになる、 ところから始まるんだけど、 どうも舞台を見ているとうまく協力していくところと相棒になるところが 自然につながらなくて。
最後にどうしてモーゼはアディを迎えに行くのかなんてさっぱり分からないとか、 そんなところばかりでした。
まあ、セリフが聴き取りにくいところが多かったからってこともあるけど。

アディはかなり生意気なガキでした。 映画では9歳のアディはミュージカルでは11歳という設定でしたが、 なんとなく11歳という感じでした。もしかしたら11歳に見えるから 設定が11歳になったのかもしれないけど(まて)。
生意気なのは亜季ちゃんのしゃべり方がいかにもそんな感じでよかったんですが、 ときどき大人にケリを入れるところがまたハマってて感涙ものでした。
ただねえ、やっぱりムスっとした顔ばかりなんですよ。 肉眼では表情はさっぱり見えなかったんですが、 この日のために購入したオペラグラスで見ると慣れてくればなんとか 表情を見ることができました。 そこでやっぱり笑顔を見たいわけですよ。

亜季ちゃん歌は、「グッバイガール」 のときよりはずっといいですね。 というか、前どういうふうに書いたか見てみると、かなりひどいこと書いてますね。 こんなにひどかった記憶はないんですが(おい)。
若干不安定なところも見受けられたけど、 けっこうよく声が通っていました。 ソロも多かったですが、ちゃんと歌ってました。 ただ、声の出し方がいつも同じで単調、って気がしました。
他の歌手はやっぱりうまいです、ってキャリアが全然違うから当たり前なんだけど。 でもジュリーも昔のような輝かしい歌声(←これが記憶違いかもしれない) はありませんでした。
あと、ジュリーとのコーラスは全然だめでした。 この辺は、名古屋の公演ではなんとかしてくれると期待しています。

ダンスは、どうだったんでしょうね(おい)。 見ていた限りでは無難にこなしていたように思うんですが、 この辺はよく分かりません。
共演の女の子とは息が合っていたと思います。

私が観劇していた席は2階の左端だったのですが、 その場所だと亜季ちゃんが舞台の左端に来ると見えないんですね。 どうも隣の席だとなんとか見ることができるみたいで、 身を乗り出して見ていたんですが、 私はその人の背中のほうに乗り出して見ていました。 そうでもしないと舞台の端から端まで見えない席があるなんて、 それって欠陥って言わないかなあ。
隣の人は私より性能の良さそうな双眼鏡を持っていました。

さて、アディは最初の方で下着姿で煙草を吹かしたり 妙なポーズを取ったりするんですが(で、妙な声を出したりする)、 遠くから見ていても、全然下着っぽく見えないんですね。 実際に下着ではないんでしょうけど。 でも劇の中ではあれは下着なんだな、とは認識できました。 つまり、最近の我々の言葉で言うと、 アディ的には下着で、亜季ちゃん的には下着じゃないんですね。
で、その後にも色々なシーンがあるんですが、 上のことを強く認識しつつ鑑賞するのがよいのではないかなと思います。

まあ、それをおいといても、前の方の席はおいしそうでした。 いまさらどうしようもないですが、なるべく前の方で観劇するとよいです。 特に最前列は特別ボーナスが用意されています。 ジュリーファンには用意されていないので、代わってもらいましょう(笑)。

アンコール、やっと亜季ちゃんの笑顔を見ることができました。 そうするとやっぱりショートが似合うんですね。
今を去ること10年くらい前、私の中には朝子ちゃんとか香澄ちゃんとかいて (わかんないぞっ)、おかっぱが好きだったんですねえ。 ところがしばらく経つと、黒髪の長い女の子が趣味になってしまいました。 例外もたくさんあったんですが、基本的にはその路線で来ていました。
でも亜季ちゃんのショートカットを見てパラダイムシフトが起こりました。 ここに高らかに宣言しましょう、「時代はショートである」と。
そういうわけで、私はオペラグラスで亜季ちゃんを見るために、 拍手をかなりさぼりました。こんなあたしを許して!
亜季ちゃんは最後にジュリーと2人で出てきましたが、 ジュリーが左に手を出してそちらの人に賞賛をというポーズをしたんですが、 亜季ちゃんは左から出演者が出てくると思ってジュリーと同じポーズを取りました。 でもそれは亜季ちゃんに対してだったんですね。私もだまされました。

劇場を後にした私は、すっかり廃人と化した(でもそれは1日限りだったらしい) 勇者Kとお茶をしたあと、新宿へ移動し東京の友人たちと飲み会。 カラオケでジュリー萌えと勘違いされた私は なぜか沢田研二メドレーを歌わされることに。 時間がなくなって雨の降る新宿の街を走り、 品川でムーンライトながらに乗り込むのだった。
Written 7/12/99
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